第1話「ナーダ村を訪れた記者」
※規約に関しましては、「にぼしの声劇台本」利用規約ページをお読みください。台本の最後に添付してあります。
※この作品の登場人物は長文ゼリフが多めですが、ロサナとコルトは特に後半長文ゼリフが多いのでしっかり読み込んでください。なお、ジュゼのセリフが今回少ないので、アンと掛け持ちになります。
登場人物
ロサナ・アルコルタ
♀。19歳。
「アルコルタ一座」の座長。笑顔が大好き。
ジュゼッピィーナ・バルビ
♀。22歳。
「アルコルタ一座」の猛獣使い。獣人お姉さん。
アン・シェーベリ
♀。16歳。
「アルコルタ一座」のパフォーマー。根暗娘。
モン・インツー
♂。14歳。
「アルコルタ一座」の雑技担当。脳内お花畑。
ギュンター・フィンケ
♂。26歳。
「アルコルタ一座」の美しき道化師。美少年。
リーヌス・クレランボー
♂。45歳。
「アルコルタ一座」の空中曲芸担当。おじさん。
コルト・オルカーン
♀。18歳。
新聞記者の父を持つ女の子。
仕事にやりがいを感じ始めている。
ロサナ:
ジュゼッピィーナ(ジュゼ)、アン:
モン:
ギュンター:
リーヌス:
コルト:
ロサナN:アルコルタ一座。それは誰もが憧れる、笑顔溢れる素敵なサーカス団です。私、ロサナ・アルコルタはその団長であり、老若男女みんなの笑顔を守るために奮闘しているのです!
ロサナ:おーはよ!みんな!
アン:うーっす。あーうざ。団長はいつもテンション高いんだからもう少し大人しくしてよ。
リーヌス:団長が元気いいと気力が湧くだろ。それに、不幸溢れるこの地から彼らを守るために、俺たちは活動してるわけだろ?いいじゃねぇか。
ギュンター:幸せとは…何を持ってして幸せなのか。そのことを団長はよく分かっていらっしゃる。そのことはゆめゆめ忘れぬようにせねば。
モン:なー!あの世界に閉じ込めた人間って、どのくらいの人数になったんだっけ?
アン:200人ちょっとよ。ってかそれくらい覚えたらどうなの?マジさー。モンってホントバカ。
モン:バカじゃねーもんオレ!馬肉と鹿肉は美味しくないんだぞー!アンはグルメ通なんだな!
アン:言ってる意味がさっぱりわからない!
ジュゼ:アンもモンもしちくさいガキね。そんなことで言い合ってるようじゃ大人になれないよ?
アン:こいつムカつく…。あとでカチ込むか。
モン:かきこむ!俺もご飯かき込むぞーアン!
ロサナ:よーし、今日も疲れきった老若男女の皆さんをお迎えしちゃうぞ!今回は、ナーダ村に依頼が来てるみたい!村単位でも、人々が幸せになることに限りはない!よし!いーくぞー!
ロサナN:アルコルタ一座が意味するのは、幸せ。だから、また、不幸になって欲しくないの。もう、誰も辛く苦しい思いなんて、しなくていいんだから。もう二度と帰らなくていいんだよ。
コルトN:私、コルト・オルカーンは、今!ナーダ村に向かっています!何故かって?あの人気サーカス「アルコルタ一座」が来るからなんです!父の手伝いも兼ねて、取材のために訪れたのですが…「アルコルタ一座」のパフォーマンスを見た人間は戻ってこないという、恐ろしい噂があることも事実なのです。それを調べるべく、コルトとお父さんは取材を決行するに至りました!
コルト父(リーヌス兼任):コルト!もうすぐナーダ村だ!カメラの準備をしなさい。さぁ、目にものを見せてくれよ…!アルコルタ一座…!
コルト:もう、お父さんってば〜♪一座は夜に来るんだよ!だから、先に宿を取っておいたんでしょ!…ふふっ、これから楽しみだなぁ…。
コルトN:早めの夜ご飯を食べたら、いよいよ突撃です!ワクワクしてきちゃうなぁ!もちろん、表にはいかず、裏から突入して取材許可を取りましょう!…例の噂が本当だと危険ですからね!
(遠くからジュゼと会話するロサナ。ジュゼは裏口前から、ロサナは部屋にいる。互いに大声で。)
ジュゼ:…起きなさいよ、座長!裏から誰か呼んでるよー!(以下小声)…公演前だってのに何様のつもり?
ロサナ:(大声で)え!裏から来てるの!?チケットいらないから表から入ってって言っといてー!
ジュゼ:(大声で)だめ!なんか記者の人っぽい!取材してもいいかって聞いてくるんだけど!
ロサナ:(以下小声)記者さんか…さぞかし辛いんだろうな。私たちの取材で、きっと疲れてるのね。(大声で)あ!じゃあ!取材を受け入れよう!その記者さんも…あとは分かるよね?!
ジュゼ:(大声で)分かった!通す!…記者の人なら、こっち側から入れてもいいかもしれない!
(その会話を聞くコルト。心配そうに聞く。)
コルト:あのー!大丈夫そうですか!?無理なら、公演後にまたこちらからお願いしますが…。
ジュゼ:入っていいよ。取材でしょ?…なんてたって、世界中を幸せにするために活動してる「アルコルタ一座」よ?不可能なんかないわ。
コルト:そのわりには、結構揉めてた気がするんですが…。
ジュゼ:何?アタシに噛み砕かれたいの…?(怒)
コルト:ご、ごめんなさい!
(座長室へ案内されるコルト。ジュゼとの対話。)
コルト:あ、あの…あなたがあの猛獣使い…「ジュゼッピィーナ・バルビ」さんですよね…?
ジュゼ:バルビでいいわよ。ここのヤツらはみんな「ジュゼ」って呼ぶけど、苗字で呼ばれた方が気が楽だわ。
コルト:私!獣人って初めて見ました!…あれ、お父さん、どこ行っちゃったんだろ…。昼間あんなに取材するの楽しみって言ってたのに…。
ジュゼ:…!!(小声でブツブツと)あの怪しい人影…コイツの親父さんだったのね…。
コルト:ん?何か言いましたか?
ジュゼ:なーんでもない!さ、着いたわ!ココがあんたお目当ての座長様が御座す部屋よ。
コルト:うわぁ〜っ!(歓喜の目)
コルトN:お父さん。私は、あの、「アルコルタ一座」の座長室前まで来ました。これから突入、取材。楽しみです。なんでお父さん来ないのか分からないけど…ちゃんと帰ってくるからね!